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尿素呼気試験の結果について

先日ピロリ菌の検査をしましたが、結果「1」と陰性でした。「2」以下なら陰性とのことでしたが、素人的に、なぜ陰性なら「0」でないのかが気になります。「1」ということは少しはピロリ菌がいるということなのでしょうか?また、この「1」という結果は、診断通り「ピロリ菌は全くいない」でよろしいのでしょうか。

質問者:匿名希望 さん

2015/01/16 13:28

【カテゴリー:検査

1件の回答があります。

回答者

水野 靖大

<医師>

専門家の回答回答日時:2015/01/19 19:46

まず、尿素呼気試験の仕組みを説明します。
ピロリ菌は胃の中に存在する尿素を分解してアンモニアと二酸化炭素を作ります(これをウレアーゼ活性を持つといいます)。この仕組みにより産生したアンモニアで胃酸を中和して、ピロリ菌は自身が溶けないようにしています。このことを利用して、尿素呼気試験では人工的に作った尿素の錠剤を飲みます。この尿素はC13という、通常の炭素の同位元素からできており、この尿素をピロリが分解すると、C13の二酸化炭素ができます。呼気中にこの二酸化炭素が出てきたら、ピロリがいるという仕掛けです。ですが、自然界にもC13の二酸化炭素はわずかですが存在しています。そこで、ピロリがいない場合でも、完全には0になりません。通常は2.5を境(カットオフ値といいます)にして、それより少なければ、自然界のもの、多ければピロリの仕業と考えます。ですから、あなたの場合1なので、ピロリはいないと考えます。ですが、どんな検査にも偽陰性と言って、本来は陽性(この場合はピロリがいること)なのに、検査上陰性になる場合があります。尿素呼気試験の場合は、検査会社は1, 2%と言っています。
ピロリの場合は健康保険上、2種の検査を行うことが認められています。主治医の先生と、胃カメラの所見とも照らし合わせて、別の方法で再検査を行うかご相談されてはどうでしょうか?

水野 靖大 <医師> マールクリニック横須賀 HPはこちら »

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自覚症状が少なく胃がんリスクの高いピロリ菌感染の重大性を感じ、
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