ピロリ菌の基礎知識

まずはピロリ菌について知りましょう!

ピロリ菌ってなに?

ピロリ菌と胃がんの関係は?

「CagA」毒素を作るピロリ菌
CagAを作るピロリ菌

がんになる原因は、喫煙や食事などの「生活習慣」、ウイルスや細菌による「感染」、そして「遺伝的要素」などがあります。感染が原因となるがんのひとつに、「ピロリ菌による胃がん」があります。

ピロリ菌には、「CagA(キャグエー)」という毒素を作るタイプと作らないタイプがあります。そして、作るタイプの中でも遺伝子配列の違いにより、「東アジア型」と「欧米型」にわかれます。

日本人のピロリ菌は、90%以上が「CagAを作るタイプ」で「東アジア型」です。
「CagAを作るピロリ菌」を電子顕微鏡で拡大して見るとすると、トゲの生えたような形をしています。このトゲは注射器のような管になっていて、胃の表面の上皮細胞にCagAを注入します。

CagAに感染した細胞は異常増殖し、炎症を起こしやすくなります。繰り返し炎症を起こすとがん化しやすくなり、胃がんのリスクが高まります。また、CagAによって胃の上皮細胞が幹細胞に変化して、がん細胞のもとになることも推測されています。
つまり、「CagAを作るピロリ菌」を持っていることは、がん化しやすい状態なのです。
ちなみに、欧米型ピロリ菌感染による胃炎は、がん化ではなく、十二指腸潰瘍になりやすいという違いがあります。

実際に、日本人の胃がん率は世界の中でも高く、死亡率も高いです。
ピロリ菌に感染している人と感染していない人を対象に10年間調査を行ったところ、10年間で胃がんになった人の割合は感染していない人では0%だったのに対し、感染している人では2.9%だったとの研究報告もあります。

10年間で胃がんが発生した人の割合

もちろん、胃がんを発生した人の中には、ピロリ菌と関係ない人もいますが、その割合は数パーセントでした。ピロリ菌を持たない人の胃がん率は、とても低いのです。
WHO国際がん研究機関は1994年、「ピロリ菌をもっとも危険の高い部類の発がん因子」と規定しています。

<参考資料>
「日本ヘリコバクター学会ホームページ」
「日本消化器病学会ホームページ」
「厚生労働省ホームページ」

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