1992年の調査結果では、日本でピロリ菌を保菌している人は、10歳までが5%程度、20歳までが20%程度、30歳までが25%程度、40歳までが40%程度ですが、40歳以上では70~80%程度と非常に高い割合になっています。この年代は2013年現在、60歳以上にあたる世代です。ピロリ菌は、主に小児期に感染するものですから、衛生環境が整っていなかった時代に幼少期を送ったこの世代の感染率はこのように高いものになっています。
口からの家庭内感染が大きな原因と
考えられている
ピロリ菌の感染経路は、水・食べ物・指先などへの汚染が関係していると考えられています。現在の日本での感染は、口から口への家庭内感染(保菌している親が離乳食などを口移しで子どもに食べさせるなど)がほとんどです。
日本人のピロリ菌感染者はおよそ全国で6000万人と推定されています。しかし衛生環境が整った若い世代の感染率は年々低くなっており、今後はますます減っていくと考えられています。